強奪品 お久しぶりね~あなたに会うなんて~♪

iイラスト世間知らずな天使

 ガブリエラが目を覚ますと、一羽の蝶が彼女の周りを飛び回っていた。ガブリエラは何気にそれを見止めるも、しかしかと言って気にする様子もなく佇んでいた。すると蝶は彼女の顔に近づいて来て、せわしなく顔の周りを飛び回る。ガブリエラは鬱陶しげに手で払ったが、それでも蝶は離れようとしない。ガブリエラは悪戯な目をして蝶を見た。
「あーら、ミカエル、お久しぶりねぇ。」
「何言うてけつかんねん。昨日かて会うたやんか。」
 蝶がしゃべった。その声からは切羽詰まった様子が伝わって来る。だがガブリエラは鼻で笑っていなすだけだった。
「まあ、もう何年も会ってない気がしてたわ。」
「ええ加減機嫌直してぇな。」
「浮気しといて随分身勝手な言い種ね。」
「せやからすまん言うてるやんか。」
「ごめんで済むなら警察なんていらなくてよ。」
 蝶の懇願をガブリエラは笑い飛ばすが、蝶は泣きそうな声で続けた。
「浮気言うたかて、声掛けただけやんか。」
「若くて綺麗な女だからって鼻の下伸ばして。」
「それ、自分の褒め言葉にしかなっとらんで。」
「そうよね、他の女と間違えて私をナンパしたのよね。」
「せやから結果的には浮気しとらへんやろ?」
 蝶は声に愛想笑いを混ぜ込むが、ガブリエラは逆に眉を吊り上げた。
「お黙り。何が許せないって、私を他の女と間違えた事よ。普段どんだけ私を見てないのって事よ。」
「後姿で髪型変えとったら普通判らへんやろが。お願いや、魔法解いてぇなぁ。」
「駄目です。」
「二度と間違えへんて。今度はちゃんと・・・」
「ちゃんと他の女に声掛ける?」
「そ、そないな事せえへん。せえへんから、頼むわ。」
「嫌よ。もうしばらく反省なさい。」
「此の儘の姿やと命危ないねん。カエルとか、カマキリとか、ほんまに洒落にならんわ。」
「捉まったら運命だったと諦めるのね。」
「んな殺生なぁ。もう堪忍してー。」
 こうして夫婦喧嘩は続く。

 はい、久しぶりの強奪品であります。元のブログはlime様のDOORでございます。
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