藤花幻:

藤花幻

亀が筆持つとどういう事になるかという事を、図らずも証明してしまったぶろぐ

つちのこ愈々何だか判らなくなってきたぞよ

え゛

462つちのこさーていよいよ判らなくなってきたぞよ1
462つちのこさーていよいよ判らなくなってきたぞよ2
462つちのこさーていよいよ判らなくなってきたぞよ3
462つちのこさーていよいよ判らなくなってきたぞよ4
 二枚目に注目!!!(笑
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つちのここれが判る様ならchariotさん認定

え゛

461つちのこ次は一体どうしたら良いんやろ1
461つちのこ次は一体どうしたら良いんやろ2
461つちのこ次は一体どうしたら良いんやろ3
461つちのこ次は一体どうしたら良いんやろ4

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つちのこ女性を描こうとしたらつちのこではもう無理でござる

え゛

460つちのこ女性を描こうと思ったらつちのこではもう無理でござる1
460つちのこ女性を描こうと思ったらつちのこではもう無理でござる2
460つちのこ女性を描こうと思ったらつちのこではもう無理でござる3
460つちのこ女性を描こうと思ったらつちのこではもう無理でござる4
 長時間かけて折角描いた画を吹っ飛ばしてしまって茫然自失。立ち直るまでえらい時間かかった

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つちのこ令和元年初日午前零時最初UPさぁどーだ

え゛

459つちのこ朝寝て昼寝て夜も寝る1
459つちのこ朝寝て昼寝て夜も寝る2
459つちのこ朝寝て昼寝て夜も寝る3
459つちのこ朝寝て昼寝て夜も寝る4
 ゴールデンウィークの正しい過ごし方 朝寝て昼寝て夜も寝る

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つちのこ作画は大変だけどネタ考えるよりは楽かもしらん

え゛

458つちのこ作画は大変だけどネタ考えるよりは楽かもしらん1
458つちのこ作画は大変だけどネタ考えるよりは楽かもしらん2
458つちのこ作画は大変だけどネタ考えるよりは楽かもしらん3
458つちのこ作画は大変だけどネタ考えるよりは楽かもしらん4
 GWの初日は掃除洗濯片付け布団干し買い出しで終了
  で、今どうなってるって?部屋中カオスです

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つちのこ二週間の充電期間で逆にバッテリーが上がった模様

え゛

457つちのこ二週間の充電期間で逆にバッテリーが上がった模様1
457つちのこ二週間の充電期間で逆にバッテリーが上がった模様2
457つちのこ二週間の充電期間で逆にバッテリーが上がった模様3
457つちのこ二週間の充電期間で逆にバッテリーが上がった模様4
 こんなの描いてたら物語書く時間が無くなる罠

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28 ブルー・ウィッチ

シャノン・アルスター幻想

 28 ブルー・ウィッチ

「何?武装した集団だと?」
 青い衣装の若い女性は横目でハンニバルを見据えた。
 同じ年頃の女性がその豊かな金の髪を梳かしていたが、青い服の女性の様子を見て櫛を止めると、髪を纏めあげて紺のバレッタに止めた。青い服の女性は向きを変えた。
 大仰な集団だった。件の女性と甲斐甲斐しくその世話を焼く娘。後ろには灰色のローブに身を包んだ魔法使いが控え、すぐ隣には大男が黒い鞘の大刀を立てて侍っている。そして、その部下らしき数人の男達が周りをがっちりと囲んで寸分の隙も見せない。ただ、皆精悍な顔つきではありながら、彼女に向ける視線にはある種の畏敬の念が見て取れた。
 彼女の肩に鮮やかな群青のマントが掛けられた。重厚な布地と、それを止める金細工の施された留め具は暗い迷宮には似つかわしくない豪奢なものであった。だが、当の主はまるで気にする様子も無い。その一方で、着崩れたローブを返り血と汗に濡らしたハンニバルは自らの見るに堪えない有様を気にして所作の一つ一つに落ち着きがない。
「放って置けばよいものを。」
 彼女は捨てる様に呟いた。
「しかし、エリミア殿、相手は精霊を飛ばしてこちらを探っていたのですぞ。」
「違うな。こちらを探っていたのではなく、道を探していただけだ。」
 エリミアと呼ばれた青い服の女性は片手を横に出す。そして当たり前に差し出された銀杯を受け取った。
「風の精霊ならこちらにも相当数が来たぞ。だが我等などに目もくれずに素通りだ。」
「素通り・・・とは?」
「聞いた儘だ。私の結界を破れるとは思わないが、結界の存在自体には気付いていただろうよな。しかしそれでもがん無視さ。もしかしたら術の主は余程慌てていたのかも知れぬ。迷宮の仕掛けに気づいたからだけとは思えぬな。」
 そう言って水を含むエリミアの口元には微かに不思議な笑みが混じる。一方、ハンニバルはばつが悪そうに身をすくめた。風の精霊は自分達にのみ向けられていたとばかり思っていたのだが、実際にはエリミアの前にも現れてただ過ぎて行ったと言うなら、つまりは藪を突いて蛇を出した事になる。
「しかし、機密の指示を預かる者としては、見つかった以上放ってもおけませぬ。」
「で、相手の力量も図れずに手を出して大火傷を負った訳か。」
 歯に衣着せぬエリミアの言葉にハンニバルは更に身を固くした。
「相手は何者だ?」
「キ、キリー・レステルが居りました・・・。」
 その名を聞いてエリミアの片方の眉が微かに上がった。
「愚かな。それと知って何故に手を出したか。」
 ハンニバルの額から再び汗が滲み出した。
「だとすれば、後ろにいた魔法使いと言うのはセレネス・ファージングであろう。先日合流したと聞く。付録のイレイアもいた筈だ。加えてあの尋常ではない精霊使いとは。類は友を呼ぶとは言うが、手練れの周りには自ずと手練れが集まるものか。」
 エリミアは俯き、しばし思案する様子を見せた。
「で、何故に貴公は此処に来た?」
 彼女は顔を向ける事も無く確認するかの様に問い質す。
「は?」
「相手が相手だ。勝てぬ相手故に逃げた・・・と言うのは仕方が無いとしよう。だが、何故にこちらに来た?」
「それは、お知らせする為に・・・。」
 予想外の質問に彼はぽかんと口を開けて答える。
「先の精霊の行使の様を見れば、相手はそなたに糸を付けるなど容易かろう。力が及ばぬのは責めぬ。が、短慮故に危険を連れて来る様では困る。フィルツェ家頼むに足らぬとは言わせないで欲しいものだな。」
 ハンニバルは増々身の置き場に困った事であろう。
 エリミアは立ち上がった。侍女がその手に杖を渡す。先には青く透き通る石がはめ込まれた楢の杖だが、零れる魔法の気配にハンニバルは身震いする。エリミアは微かに後ろに顔を向けた。
「エルラス、クロードと連絡を取れ。『月は北に落ちた』とな。」
「早速。」
 今までまるで彫刻の様に微動だにしなかった灰色のローブの魔法使いは、短く一言だけ応えると、口元で何やら唱え始めた。
「この道も結局役には立たぬ儘で終わるか。」
 エリミアは天井を見上げて言う。しかし言葉とは裏腹に表情は晴れやかですらある。
「それは一体?」
 ハンニバルは怪訝そうに聞き返した。
「相手が何者の手先かは大方察しが付く。信じたくも無いが、あの精霊共は先の一瞬で此の迷宮の全てを調べつくした様だ。となれば、この迷宮が何を意味しているのかも理解した筈だ。嗅ぎつけられた以上、この道を利用する案は危険であろう?」
「まさか、塞ぐと言うので?」
「抜け道とは秘密であるが故に存在価値がある。それが明るみになってしまったと言うのであれば、残るは逆に利用される危険性だな。敵方の侵入に備えて此の様な所に人材を割くのは無駄と言うものだ。」
「それでは話が違ってしまいます。カービスへ支援の軍が派遣されぬでは・・・。」
「状況が変化するは良くある事だ。」
 エリミアはハンニバルの抗議を一蹴する。が、次の間、鋭い眼光を迷宮の奥へと向けた。その不自然さにハンニバルは言葉を止める。そして闇の向こうで何かが蠢く気配を感じ身構えた。
「可視化された風の精霊に触発されたか。」
 エリミアは杖を上げた。辺りを小さく照らしていた光が一気に向こう側にまで広がる。明りの下に蠢く者の姿が露になった。コボルトの群だ。錆びたナイフやら粗末な得物を手に手に構え、突然のまばゆさに驚き慌てているが、しかし敵意は失っていない。いや、光に目が慣れるや、却って殺気を漲らせてにじり寄って来た。即座に大剣の男が前に立ち塞がり、他の兵士がそれに続く。
「退け、邪魔だ。」
 エリミアは短く言い放つ。躊躇いつつ兵士が道を空けるか空けないかの間に紫色の光が走った。今にも飛び掛からんばかりであったコボルト等の表情が凍り付く。その直後、コボルトの群は灰の様に崩れ、幾つもの小さなぼた山を作った。
「悪鬼共めが、出て来ずば見逃してやっていたものを。」
 エリミアは静かに呟くと、青ざめたハンニバルを振り返った。
「迷宮の道は塞ぐ。今後一切通れぬものと理解せよ。」
「は、はい・・・。」
 ハンニバルは苦渋に満ちた返事を返す。
「では私は御当主へ報告を・・・。」
「いや、その前にキリー達を見張れ。こちらには来るまいとは思うが、万が一と言う事もある。」
「しかし、それには手勢が・・・。」
 ハンニバルの言葉にエリミアの表情が曇った。
「セシル、二人加えてやれ。」
 エリミアは侍女に命じると通路の奥へと歩き出す。その取り巻く様に兵士達が前後に付いた。セシルと呼ばれた侍女はまだ控えている兵士二人に何やら指示すると
「見張るだけで良いのです。何かあれば連絡を。決して手出しは無用でございますよ。」
 そう釘を刺して通路へと消えた。
「やれやれ。難しい娘だ。」
 エリミアの歳に似合わぬ威圧感から解放されて、ハンニバルは思わず息を吐く。が、子飼いの部下に目配せされて咳払いをした。加勢に加わったエリミアの配下がぎろりとした目を向けていた。

 煌めく刃が白い首筋を撫でる。赤く染まった喉を抑え、息も出来ずに蹲る。白いシーツに咲く大輪の花。気が付けば何事も無かったかの様に月明かりが照らしていた。
 霧の立ち込める中、鋭い切っ先が胸に突き刺さる。現実は先を行き、認識は追い付けぬ。しかしそれでも良いと総てを手放してみれば、もう一度目を覚ませと女神の涙が零れ落ちた。
『ああ、きっと同じ事だ。』
 目覚めてみれば、軟らかな肢体が体を包んでいた。エスターはそっと身を返す。目の前にルディーナの顔。瞼を閉じて規則正しく寝息を立てている。エスターは暫くじっと見詰めていたが、再び体の向きを戻した。
「どういう事?」
 エスターは一人呟く。
「安心なさい、温めていただけよ。」
 後ろからルディーナの囁く声がしてエスターは硬直した。ルディーナの腕からエスターは身を起こそうとするが、眩暈に襲われて再び横たわった。
「かなり失血してる筈だから、いきなり立つのは危ないわよ。」
 ルディーナは開けたコートを直して再びエスターを包む。
「まだ動かない方が良いわ。」
「僕、何かした(・・・・)?」
「眠っていただけよ。でも驚いたわ。治癒の魔法でも癒せない程の傷だったんだけど。」
 一時は命さえも危ういと思われたエスターが、今ではそんな気配は微塵も感じられない。極度の貧血で立ち上がれない状態ではあるが、この短時間で此処までに回復するなど尋常ではありえない筈だ。
「ちょっと、ね・・・。」
 エスターは言い掛けて口籠る。何を言おうが、ルディーナの目は節穴でもあるまい。
「言いにくいなら言わなくても良いわ。今はお休みなさい。」
 ルディーナは自ら言葉を切る。
「温かいね。」
 エスターは伝わってくる体温に背中を丸めた。
「体が冷え切ってるからそう感じるのよ。」
 ルディーナはふと目を開いた。背中に戸惑いと不安の入り混じった気配を感じ、流石に振り向くのをしばし躊躇う。
「気を使わせてしまいまして申し訳ありません。」
 ソフィエーリアの声がした。
「あなたが謝る事ではないわ。」
 ルディーナはエスターに回した手を解いて身を起こした。エスターも上半身に力を入れるが、ルディーナは
『その儘でいなさい。』
 とばかりに上から抑えつける。抗う力も無いエスターにコートをうち掛けて、ルディーナはソフィエーリアに上半身を向けた。そして、ソフィエーリアの表情を押し殺した視線を躱す様に、乱れた黒髪を撫でつける。
『可愛い事。』
 ルディーナは綻びかける口元に気を使いながら、
「こちらこそごめんなさい。配慮が足らなかったわ。」
 ソフィエーリアの肩に手を置いて体を入れ替えた。
「いえ、本来ならわたくしが気付かなければいけない事です。」
「道を探すので精いっぱいだったのだから無理な話よ。」
「ですが・・・」
 ソフィエーリアは目を伏せる。ルディーナは少し面倒臭くなって顔を逸らした。
 高い鈴の音の様な音が響く。セレネスの五枝の杖が鳴っている。
『随分と間の良い。』
 ルディーナは枕元の剣を拾った。ソフィエーリアは驚いてエスターの上半身を庇う様に掻き抱く。
「さっきの奴等か?」
 キリーが飛び起きて集団の端に立った。グレンが斧を持って反対側に立ち塞がる。イレイア、ルデル、サイファも身構えるが、
「まだ大丈夫、ざっと十分程先の所です。私の警戒線はちょっとばかり広いものでしてね。」
 セレネスが答えた。封印により魔力を大幅に減じているとは言え、技量自体が桁外れなのである。結界自体の効果は低くとも、その末端は時間的余裕が充分得られるだけに遠い。
「恐らく様子見の積りだったのでしょうが。新手が加わってますね。」
 セレネスは杖を手に、瞼の内側に浮かぶ像を見ていた。
「来るか?」
「向こうも引っかかった事は自覚している筈。ただでは居られないでしょう。」
 セレネスは一瞬置いて顔を上げた。
「こちらは怪我人が居ます。再戦となるなら流石に抱えた儘では遣り合いたくないですね。」
「ならこっちから仕掛けるか?」
 キリーはニヤリとしてルディーナに目配せする。ルディーナは好きにすればとばかりに軽く頷いた。
「そうとなったら・・・」
 キリーは舌なめずりして言い掛けて、
「おい、そこでいびきかいてる姐ちゃんを早く叩き起こせ。」
 まるで役に立たない見張り番を指す。
「豪儀と言うか、無神経と言うか。」
 ルデルが杖の先でキャシーの肩を小突いた。
「あ、ルデルはエスターのお守りを頼みますよ。」
「またか!」
 ルデルはセレネスの言葉に苛立った様に声を荒げた。
「頼られてるんですよ、意気に感じてください。」
 ルデルは憮然とする。が、仕掛けるのに重症の怪我人を放って置く訳には行かないだろうし、連れて行く訳には尚行かぬ。迷宮の中で別れるなら、それぞれに魔法使いが居た方が意思の疎通にも都合が良いのは確かだ。
「まったく・・・。」
「ソフィアはエスターをお願い。ルデルはこの場で相手の遠見の遮断を。イレイアは帯同して防御結界を担当。グレンとサイファは先頭に。例のトラップが在ったらそれ以上は絶対に行かないで。」
 ルデルのぼやきを横目にルディーナが簡潔に指示を出す。
「おい、俺も来いってのか?」
 サイファが面倒臭そうに言うが、
「いいから黙って来いよ。」
 キリーに言われて大きく息を吐いた。

 ざわめく水の音が足音を紛らわせる。幾つかの角を曲がった所で、ルディーナ達は先に微かな明かりを見つけた。幾つかの影がのんびりと座っている。無論額面通りには受け取れまい。
「待ち構えてるわよ。」
 キャシーはサイファと入れ替わって先頭に出ると角に身を寄せた。その部分の通路は狭く、剣を振り回すなら二人も並べれば完全に塞がる程度だ。
「トラップが仕掛けられとると言う訳でもなさそうだが。」
 グレンは鼻を鳴らす。髭先を掠めて指輪が向う側へ投げ込まれた。床に転がって甲高い音を立てたかと思うと、膨れ上がって人の形になる。
「ゴーレムか。」
 先に相手の魔法使いが使ったと同種の魔法の徒隷である。ゴーレムが角を曲がった刹那、雷光が走る。目の眩む閃光と空気を切り裂く破裂音。ゴーレムは雷を受けて四散した。セレネスは指を突き出し捻る。ゴーレムを構成していた物質が槍へと姿を変えて飛び出す。角の向こうで慌てた声が上がった。打撃を与えたか否かはともかく、何かしらの効果はあったのだろう。間髪を入れずキリーが猛然と飛び出した。キャシーが後に続く。二人の剣士を相手に平然とやり合うキリーの横に入り、相手の一人に一方的に切りつけると、相手は一歩下がった。だが決して押されたからではない。前の時の前衛とは違い、剣威を正面から受けようとはせず、不利な状況でも決して慌てずにのらりくらりと流している。
『なかなかの手練れ。』
 その時、風を切って刃が飛んだ。首筋を掠めたナイフにキャシーは表情を強張らせた。キャシーにしても剣技だけなら相手のそれを上回るだろう。だが針の穴を通すかの様に隙間を縫って短刀が飛び込んで来るとなれば相当に厄介だ。
 足元に魔法陣が浮かび上がった。キリーの風切がそれを切り裂く。そして相手の剣を弾飛ばすと、キャシーの前の空間に剣を振るった。甲高い音を残して短刀が落ちる。続け様に魔法の矢が飛ぶ。キリーに見切りをつけて狙いをキャシーのみに絞ったのであろう。目の前の敵との遣り合う最中にあってはとても逃げる暇は無く、増してキャシーの持つ剣ではキリーの様な芸当が出来る訳も無い。庇うキリーにも限度がある。
『まずい・・・。』
 しかしすんでのところで光の矢の形が崩れ、前と後ろが逆になったかと思いきや、元来た場所へと襲い掛かった。ハンニバルは味方の陰に身を隠す。短刀を構えていた彼の部下がとばっちりを受けて悲鳴を上げた。
「なかなか上手い連携だな。」
 キリーは薄ら笑いを浮かべて強く踏み込む。相手の前衛は引き波のごとく下がる。と、その足元に宝玉が転がり込んで来た。宝玉を中心に氷の結晶が広がる。次の一呼吸で氷の刃が直立する筈だったろう。しかし一瞬後にはそれすら幻ででもあったかの様に消え失せた。
『ま、まるで歯が立たん・・・。』
 ハンニバルは目を見開いた。エリミアから借りた二人は良くやっているが、
『肝心の自身の力量が雲泥の差ではないか。』
 ハンニバル自身は次々とあらん限りの魔法を振るうが、その悉くが軽くあしらわれてしまう。相手は本来ありえない程に高度な魔法返しをさらっと使いながら、そのくせ能力に見合った魔法攻撃をまるで仕掛けて来ない。最初の魔法などは魔力を十分込めてさえいれば防御障壁ごと貫けようものを、攪乱程度にしか使っていない。遊ばれている様なものだ。そもそも、見張るだけの積りが相手の結界に引っかかり、しかもその動向には直前まで気付けず、遣り合うなと言われつつ格上の相手と再び戦闘になってしまっている。加えて、敵で実際に働いているのは前の二人と援護の魔法使い位のもので、後ろの四人は待機に徹して何もしていないと言うのだから、これではまるで立つ瀬がない。面目丸潰れだ。
『クソッ、あの小娘に。』
 盟約相手の要人と思えこそへりくだってはいたが、ハンニバルにも自尊心が無い訳ではない。あの取り澄ました顔で失態を好き放題に言われるのは耐え難い事だ。ハンニバルは部下を盾にしてじりじりと下がる。ハンニバルは杖を差し上げた。その先に黒い業火が球体を作る。
「な、ハンニバル、てめぇ!」
 部下の一人が異様な気配に気付いて振り返った。この閉ざされた通路で火球などを放てば敵だけでなく身方をも巻き込む事になる。つまり前で戦う身方ごと焼き払う積りと言う事だ。幾ら追い込まれたとは言えど、選択して良い所業ではない。想定外の事態に狼狽えるが、しかし躊躇なくハンニバルは杖を振り下ろした。黒い火球が剣を交える集団に投げ付けられ、弾けた。轟音と共に煉獄の炎が広がった。
「逃がしたな。」
 やがて魔法の炎は消えたが、向う側に相手の魔法使いの姿は無かった。イレイアが温存していた魔法障壁で相手の奥の手は封じて見せたが、流石に追撃までは無理な注文だ。キリーは舌を打つ。代わりに足元にへたり込んでいたハンニバルの部下の生き残り四人に目を遣った。よく耐えていた前衛だったが、即んでの処で手傷を負い二人ともぐったりとしている。後は如何にもなならず者と、少し身なりの整った士人風の男だ。首班の裏切りと暴走の果てに放った爆裂の魔法に生きた心地もしなかったのであろう。たまたまイレイアの魔法障壁の内側に入ったが為に命拾いをしたものの、得物を握るのも忘れて惚けている。不意にずんぐりとした足がその武器を蹴り離した。
「全く、またも俺は出番無しか。」
 グレンがそう愚痴る。
「まるで出番が来て欲しいみたいな口ぶりね。」
 ルディーナが鎌をかければ、
「ん?まあな。」
 血の気の多いこの親爺は案外本気なのかもしれない。
「さて、聞かせてもらいましょうか。」
 キャシーがならず者の方の肩に剣先を置いた。男はゆっくりとそれに目を落とし、ふと我に返って仰け反った。
「た。助けてくれ、俺は雇われただけなんだ。」
「その手のごまかしは相手を見てするもんよ。」
 キャシーは刀身を首筋に宛がう。若い身空で傭兵家業などをやっていたのは伊達ではない。彼女の凄みに男は青ざめた。そこにサイファが顔を出し腰を落とす。男は見知った顔に更に驚いて、口角が痙攣でもしたかの様に下がる。
「な、何でサイファが・・・。」
 首筋の両側から殺気の塊の様な刃を突き付けられて、もう泣き出さんがばかりだ。
「判ってるんならさっさと吐けよ。目的は何だ?何故仕掛けて来た?」
 サイファはナイフの切っ先をゆっくりと横に引いた。薄皮一枚、赤い筋が滲む。
「知らねえ。マラーンの旦那にハンニバルの野郎の指示で動けって言われただけなんだよ。」
「ああ、そうだろうなぁ。」
 サイファはゆっくりと立ち上がると、いきなり男の顔を思い切り蹴り上げた。男は悲鳴を上げる暇も無くひっくり返る。
「乱暴ねぇ。」
 キャシーは眉を顰めるもさして動じる様子も無く、もう一人の士人風の男に目を向けた。初見では判らなかったが、時折垣間見せる仕草には妙に規律だった癖がある。こういう連中の一人であるなら今更怪しいなど当然と言えば当然なのだが
「随分とそぐわないわね。」
 キャシーは言う。すると士人風の男はプイと横を向いた。
「この期に及んで抵抗するかなぁ。」
 キャシーが呆れて言うと、隣でセレネスが呪文を唱え始めた。男の顔色が変わり、急に身を乗り出す。
「止めろ、話す。」
「偉い変わり身の早さね。」
「魔法で心の中を引っ掻き回される位なら自分から話す方がまだ増しだ。」
 男は苦悶の表情を浮かべる。セレネスの魔法が何かは良く判っている様だ。
「確かにその方が利巧ですよ。私の方も雑念ばかりの心の中を覗くのは遠慮したい。」
 セレネスは言う。男はその言い回しに少しムッとした様子を見せたが、人の心の中とはそう言うものだ。彼は卑屈に笑って話し始めた。
「目的はエルンとカービスの間道の確認だ。お前らを襲ったのはハンニバル・・・さっき逃げた魔法使いの勇み足だ。」
「勇み足ながらも襲う理由はあった訳よね。あなた達、何者?」
 キャシーの質問に男は一度躊躇する。が、セレネスを横目で見遣り、
「頭目はエリミアと言う若い女の魔法使いだ。」
「エリミア?その魔法使いの出自は?」
「知らん。私は・・・。」
 と、そこで言葉を詰まらせた後、
「不本意ながら、大・・・大司教猊下の台命に従った迄だ。そこのごろつきと立場はそう変わらん。」
 吐露した。
「大司教?」
 その言葉に、後ろで見ていたルディーナの表情が曇った。
「ファラン(フェリア神殿のリントール大司教座所)のリュクセル・カルタート大司教?あなた、神殿兵ね?」
「言わせるな。」
 ルディーナは口元に手を遣りしばし考え込んだが、
「その大司教が協力しろと言うからにはそれなりの立場の人物の筈。あなたの心象は?」
 そう問い直した。
「私の心象だなどと、そんなあやふやなもの聞いてどうする?」
「人の感て言うのは当たるものよ。」
 男はフンと鼻を鳴らしたが、
「フリードリヒ・ダウィンに繋がる者だな。ただ、配下には見えなかった。」
「ほう、何故?」
「フリードリヒの配下にあれ程の魔法使いが居るとは思えん。」
「そこまで言うからには相当な魔法使いの様ね。」
「相当どころではない。小娘の癖にあのハンニバルが足元にも及ばん。」
「ああ、あれね。」
 その反応に不服だったのか、
「それならば、そこの魔法使い様より上とでもしておこうか?」
 そう言ってセレネスに顎をしゃくる。
「冗談はよして。化け物は一人で充分よ。」
 ルディーナは前髪を掻き上げ引っ込んだ。
『私は化け物ですか?』
 とばかりにセレネスがイレイアを見る。イレイアは反応に困った様に苦笑いを浮かべた。
「最後に、この動く迷宮をどうやって迷わずに歩き回ってるの?」
 キャシーは尋ねる。
「それも残念ながら知らん。魔法使いが選ぶ道を行くだけだ。」
「何にも知らされてないのね。」
 キャシーは腕を組む。男は情けない表情を浮かべて顔を背けた。
「で、俺をどうなる、始末するか?」
「しないわよ。そんな無駄な事。」
 男はほっとした様に大きく息を吐いた。
「他の三人の面倒でも見て頂戴・・・と言いたいところだけど、ここまで話してしまったからには一緒には居られないわよねぇ。まあ、神殿にも戻れないでしょうけど、精々巧く逃げ延びる事ね。」
 男はしばし沈黙したが、徐に立ち上がる。
「得物、持って行って良いわよ。」
 言われて剣を拾った。そして歩き出したが、ふと立ち止まり振り返った。
「一つ思い出した。取り巻き共が、時々エリミアの事を『姫』と呼んでた。かなり使う連中だ。気を付けた方が良い。」
「ありがと。」
 暗闇へ消えて行く神官兵を見送った後
「反乱貴族に商都の僭主、リントールの大神殿に加えて何処ぞの『姫』と来たわ。尻尾を掴んでみれば出て来るわ出て来るわ。」
 キャシーはルディーナに視線を送る。ルディーナは相変わらず表情を見せない。だが代わりにセレネスの表情が冴えない。いや、見ればイレイアもグレンも表情を曇らせているではないか。
「姫・・・か。」
 キリーがぽつりと言う。
「何なのよ。」
「知らねぇよ。」
 キリーは踵を返す。
「おい、こいつ等どうするんだ?」
 サイファが伸びている三人を指さした。
「犬にでもやっちまえよ。」
 相手は手傷を負ってどのみち襲って来れる様な状態ではない。とどめを刺す気は無いが、かと言って手当をしてやる義理も無い。それより、何が起きるかわからない迷宮の中でエスター達と何時まで離れている訳にも行くまい。

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参献茶(悪魔の解説付き)

歴史もの

   参献茶

 むかーし昔の戦国の世でございます。近江の国は長浜に大変切れ者のお殿様が居りました。お殿様はしばしば見分の為と称して領地を歩き回っておりましたが、ある日、疲れてとあるお寺に立ち寄りました。
 突然に領主が訪れたお寺は大わらわ。慌てて接待しますが何分人もおりません。坊主は小僧さんにお茶の支度を任せて自らはお殿様の話し相手をしておりました。
 暫くして小僧さんがお茶を運んできます。大きな器にひどくぬるく、しかも随分と薄いお茶でした。しかしお殿様は喉が渇いていたので直ぐに飲み干し、お代わりが欲しいと言いました。
 小僧さんは取って返し、今度は少し小さめの器に、暖かくてちょうど良い出加減のお茶を運んできました。お殿様は喜んでお茶を飲み干します。そしてまたお代わりを要求しました。
 小僧さんは直ぐに取って返し、今度はひどく小さい器に、随分熱くて濃いお茶を運んできました。お殿様は唸ってそれを飲み干しました。
「そなた、わしに仕えぬか?」
 小僧さんは後に偉いお侍になったそうです。

   解説
 珈琲なら差し詰めアメリカン、ブレンド、エスプレッソであります。まずは喉の渇きを潤すカブ飲みのお茶、次はゆっくりとお茶本来の味を堪能し、最後はキリッとパンチを効かせて満足満足。こころ憎いね、ここの小僧。有名な石田三成の逸話でした。

   悪魔の解説
 いきなり来たってお湯沸いてないよー。急いで沸かさなきゃ。って、汲み置き無いし、火も起きてないし・・・。器、器、もう、さっき飯食ったどんぶりだけどこれで良いや。ああ、お湯がぬるくてお茶出ないじゃん。お殿様、イライラして待ってるよー。しょうがない、成るように成れ。
 お代わり? はいはい、お湯もそこそこ沸いて来たし、さっきのお茶葉も丁度馴染んで出が良いぞ。器は和尚さんの湯飲みにしとこう。流石にまたどんぶりじゃ怒られそうだよな。さっきよりは随分増しだし、ま、成るように成れだな。
 ええ゛、またお代わり?って、やばい、お湯沸き過ぎてぐらぐらじゃん。しかも少ししか残ってないし。しょうがない、おちょこに注いで見た目だけでもなみなみにしとこう。あ゛あ゛、お茶葉、馴染み過ぎてめちゃくちゃ濃くなっちゃった。どうしよう、淹れなおすったってお湯もう無いし。えーい、もう、成るように成れ。
 石田寺の三つの成れと言うお話である。

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つちのこハシが転がる

え゛

456つちのこハシが転がる1
456つちのこハシが転がる2
456つちのこハシが転がる3
456つちのこハシが転がる4
 お年頃、お年頃

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つちのこ鳥の餌場でえっさっさー♪

え゛

455つちのこ鳥の餌場でえっさっさー1
455つちのこ鳥の餌場でえっさっさー2
455つちのこ鳥の餌場でえっさっさー3
455つちのこ鳥の餌場でえっさっさー4
 供物米 撒くを待ち詫ぶ 寒雀
 但し、つちのこよりは強い

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つちのこイチ〇ー引退する

え゛

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454つちのこイチ〇ー引退する2
454つちのこイチ〇ー引退する3
454つちのこイチ〇ー引退する4
 カレー ・・・
 某無茶振り蕨野大画伯閣下様のご希望に沿いまして〇チロー引退企画などしてみました。あの男気黒田や辛い新井さんの時ですらやらなかった企画ものを、何故にイ〇ローごときでやらねばならんのか謎ではありますが、リクエストとあっちゃぁしょーがねー。が、素直にやると思うなよってなもんだ(笑

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つちのこ山火事に遭う数十年後編

え゛

452つちのこ山火事に遭う9
452つちのこ山火事に遭う10
452つちのこ山火事に遭う11
452つちのこ山火事に遭う12
 何やこれー、落ちも毒っ気もあらへんやないけー

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つちのこ蝦が鯛に変身する日

え゛

453つちのこ蝦で鯛を釣る1
453つちのこ蝦で鯛を釣る2
453つちのこ蝦で鯛を釣る3
453つちのこ蝦で鯛を釣る4
 幸か不幸かお返しする相手もいないもんですから私は平和です(笑

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つちのこ山火事に遭う 海チワワに喧嘩売ってんのか編

え゛

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452つちのこ山火事に遭う6
452つちのこ山火事に遭う7
452つちのこ山火事に遭う8
 某国では必要以上に鯨が保護されている。何故だ!!
 日本に嫌がらせをすれば金になるからだ!!!(銀河万丈風

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つちのこ山火事に遭う

え゛

452つちのこ山火事に遭う1
452つちのこ山火事に遭う2
452つちのこ山火事に遭う3
452つちのこ山火事に遭う4
 さて、つちのこは何処だ
  え゛、表題の山火事はどこ行った? 細かい事キニスンナ

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miss.key

Author:miss.key
おや、お客様とは珍しい。
道に迷いましたね。
お会いしたのも何かの縁だ、ゆっくりして行ってくれたまえ。
え?急いでる?
まあ、まあ、そう言わずにお茶でもどうかね。
ああ、お茶はセルフサービスになっているのであしからず。
此処にあるのはガラクタばかりだが、タデ食う虫も何とやら、良かったら目を通していきなさい。

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